トーキョートリップ物語 03/05 更新
西麻布でホワイトデーごはんに憧れるの巻 #06 西麻布というブランドについて(みーちゃんの考察) | Tokyo Trip
西麻布でホワイトデーごはんに憧れるの巻
#06
西麻布というブランドについて
(みーちゃんの考察)

「西麻布で、デート」。この響きに今までどれだけ憧れてきたことか。思えば大学生の頃、読者モデルをしていたクラスメイトが撮影後にスタッフの人と西麻布の焼肉屋に行ったらしい、と人づてに聞いたのが、私が「西麻布」の存在をはじめて知った瞬間だった。「読モ、西麻布、焼肉」私は心のなかでその単語をくり返した。その語感は業界人っぽくて、秘密めいていて、どこか色気があって…。その後も、明らかに華やかなほうの女子たちから「西麻布」というワードはちょくちょく出され、そのたびに私は先を越された気分になった。憧れと、羨望と、劣等感。そんな複雑な感情を、勝手に西麻布と結びつけていたのかもしれない。

社会人になり、時には合コンで西麻布に出向く機会もあるが、今回の度重なる訪問で私がそれまで感じていた「西麻布」のイメージはちょっと変わった。とってもオシャレなのに、堅苦しくない。お料理はどれも手がこんでいるのに、どこかカジュアルな雰囲気。そうやって敷居を下げてくれているのに、トリュフ塩だったり、暗号だったり、隠れ家だったり…そんな女子心をおさえたエンターテインメントがたくさん詰め込まれている。この街を男性に例えるとしたら、相当モテる男に違いない。

思えば学生時代から、なんとなく「モテる男」と言われる部類の人を疑ってかかっていた。どうせ遊んでるんでしょ? って勝手に決めつけて、せっかく付き合ってもすぐに信じられなくなって、浮気を疑ったりして、自分からその恋を破綻に向かわせていた。でも。それって私の決めつけだったのかもしれないな、と今ならちょっと思える。私が西麻布を勝手に決めつけていたように。これからはもっと素直に、西麻布を楽しめそうな気がする。次の訪問は、今度こそ本命の彼と「西麻布で、デート」! よし。気合い入れなきゃ!

文/みーちゃん
おひとり様歴更新中。仕事ひと筋32年。男勝りのバリキャリ系。優しくされると弱い。

24時間恋愛中。恋も仕事も遊びも、計算高い。が、恋が長続きしないのはなぜか。

彼氏はフランス人。夢を追いかけ貯金中。口癖はやらぬ後悔よりやって反省。

illustration/Mai Takewaki
photos&text/Ayano Sakamoto, luminemagazine