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#01 「松江らしさ」と「ゆかしさ」をようかんに込めて伝える/彩雲堂(島根県) | Wagashi

和菓子のおはなし 12/16 更新

#01 「松江らしさ」と「ゆかしさ」をようかんに込めて伝える/彩雲堂(島根県) | Wagashi

和菓子のおはなし えんなり

第1話「松江らしさ」と「ゆかしさ」をようかんにこめて伝える 彩雲堂・島根県

JR新宿駅エキナカに今年オープンした、和菓子のセレクトショップ「えんなり」。初回の「おはなし」は、日本全国を回るえんなりチームが松江で出会った和菓子体験について。

島根県松江市にある和菓子の老舗・彩雲堂の本店。えんなりスタッフが最初に訪れたのは2015年秋。そこから交渉が始まり、えんなり店頭に商品が出たのは、2016年11月から。

彩雲堂本店の看板メニュー「季節の上生菓子と抹茶のセット」540円。抹茶はその場でたてたもの、上生菓子は季節ごとに入れ替わる。

えっ、朝から抹茶と和菓子!?でも、アリかも!

「お茶をたててみますか?」。
出雲にある彩雲堂を訪れたえんなりスタッフは、本店のスタッフさんのなにげないお誘いで、初めて茶道体験をすることになった。見よう見まねでたててみたものの、本店スタッフさんがたてたものとは、美味しさ、飲み心地、キメの細やかさも全く違った。「なんて奥深いんだろう…」。けれど、気づいたのはそれだけではなかった。

「お茶室で、保育園の園児たちが、お茶のおもてなし会をやることもあると聞きました。そして店頭には、若い女性が朝から抹茶と和菓子を食べに続々やって来る…。そういえば、スーパーでも上生菓子がいつもそろっている。お茶と和菓子が、生活に根づいているんだと、初めて知りました」

その背景には、松江をおさめていた松平治郷(出雲松江藩第七代藩主)の存在が大きい。江戸時代の代表的茶人のひとりで、「不昧(ふまい)」と呼ばれ、「不昧流」という茶道を完成させた人である。茶会で使われた和菓子の数々は、「不昧公好み」として現代にも受け継がれているという。

スタッフが訪れた彩雲堂は、その不昧公が好んだ菓子「若草」を復活させた和菓子の老舗。その行程を見せてもらおうと足を延ばしたのが、出雲風土記にも出てくる大根島(だいこんじま)。海に囲まれた小さなこの島に、彩雲堂の工場があるのだ。

代表銘菓「若草」に使われる求肥(ぎゅうひ)。原料には奥出雲産の仁多米を使い、石臼で水挽きした後に砂糖と炊き、じっくり練りあげていく。7~10日間寝かせた求肥は弾力があり、切り口がしっかりと立ち、歯切れがよいのが特徴。

カットされた求肥に、薄緑色のそぼろ状の寒梅粉をまぶして「若草」は完成。まぶす行程はすべて手作業で行われる。こうした手作業の中心にいるのは、全国和菓子協会認定の「選・和菓子職」たち。ほかの和菓子工場では、ひとりいるかいないかの貴重な存在が、彩雲堂には5人在籍している。「若草」6個入り864円。

「松江らしさ」を生かしたオリジナル和菓子をつくってほしい

この工場を訪れる少し前、えんなりスタッフから、彩雲堂にあるお願いをを出していた。「えんなりだけで扱うオリジナル和菓子をつくってほしい」。松江らしさが出ていて、オリジナルの商品だけでギフトセットがつくれて、そして包装紙は…。そうリクエストしたスタッフに対して、山口専務の答えは、ただひとこと「任せてください!」。

果たして、スタッフが望んだ「松江らしさ」は、白あずき(=禅)と抹茶(=茶道)で表現され、二層のようかんとなって完成した。ワガママなお願いだったかも…? なんていうスタッフの心配はすっかり晴れた。彩雲堂には、伝統を生かしながらも新しいものを生み出す気運がみなぎっていて、関わる人みんなが、なんとも楽しそうなのだ。それは、いつもキラキラしている山口専務の目からもよくわかった。

こうして完成したオリジナル和菓子の名前は、「茶禅一味(ちゃぜんいちみ)」。禅と茶道の考え方は本質的に同じであるという、不昧公の思いが反映されている。

えんなりオリジナルのようかん「茶禅一味」。1本2,592円。白あずきの味、抹茶の味がそれぞれしっかりと生きていて、それでいて2つのハーモニーも見事。カットした断面の美しさも楽しんで。

「茶禅一味」と「喫茶去(きっさこ)」2種をセットにした「不昧公」5,400円。2016年11月1日から2017年1月31日までのえんなり限定商品。包装紙は棟方志功のデザインで、彩雲堂では古くから使われている。

オリジナルようかんの「茶禅一味」とセットにした和菓子「喫茶去(きっさこ)」だが、その意味は禅語で「お茶でもどうぞ」なのだそう。「きっさこ」という語感のかわいらしいこの言葉を、えんなりスタッフは最初に聞いたときから気に入っていた。なぜなら、松江らしい「お茶のある日常」や「親しみやすさ」がにじみ出ているから。

京都、金沢と並ぶ菓子処として知られる松江。だけれど、どの菓子処よりも、この「喫茶去」の気持ちが日常に根付いているのかもしれない。さらに加えるなら、松江ならではの「さりげなさ」。技術の高さやセンスのよさを声高に言うことはないが、みんなが敬愛の念をもって受け継いでいる。それはそのまま、山口専務の人柄でもあるのだが…。商品が完成した今、こうした松江らしさをお客さまに伝えていくことが、えんなりとスタッフの使命だ。

松江と和菓子を愛してやまない、彩雲堂の山口周平専務。自身も職人として和菓子づくりをしている。

和菓子のたのしみ 緑茶とようかんを朝のおめざに

シャキっとしたい朝、パンやフルーツの代わりに和菓子はいかが? 厳選された天然素材、シンプルな甘さ、ひと口大の程よい小ささ…。時間がない朝でも、緑茶と一緒にいただけば、体と頭が喜ぶのがわかります。

えんなり

「えんなり」とは、「優美で風情がある」「粋」という意味の古語。日本全国からセレクトした和菓子3ブランドを期間限定で展開している。自分のおやつ用にできる単品、手土産に使えるセットものなど、用途に合わせて選べる。

えんなり

ニュウマン(エキナカ)
※ご利用にはJRの入場券が必要です。
電話:03-5357-7683
営業時間:8:00~22:00
Webサイト:えんなり

彩雲堂(島根県)
2016年11月1日~2017年1月31日
彩雲堂
菓游 茜庵(徳島県) 
2016年11月1日~2017年1月9日
菓游 茜庵
UCHU wagashi(京都府)
2016年11月1日~2017年2月28日
UCHU
花桔梗(愛知県)
2017年1月10日~3月31日
花桔梗

 

※表示価格は特記されているものを除き、全て本体価格(税抜き)です。
※2016年11月時点の情報です。

 

illustration/Amigos Koike
photos&text/luminemagazine


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